ずぶぬれの朝


目覚ましのアラームが部屋に鳴り響いた。

早朝5時。

今日で2日目のトライのための早起き。

しかし、無情にもシトシトと落ちる雨音を耳にし、

小さくため息をついた…。


ここは古都ルアンパバーン。街には約80の寺院があり、

毎朝、僧侶たちが喜捨を受けに街を歩く、托鉢の儀式が見られる。

オレンジの袈裟をまとい、一列に並んだその姿をひと目見たい!


だからこんな時間に目覚ましをかけた。

先日も書いたが、無類の寺好き。理由は不明。

まぁ、不謹慎な言い方だが、ディズニーランドに例えれば、お寺がアトラクションで、

托鉢はパレードといったところだろうか。

昨日も同じ時刻に目を覚ましたが、しい雨…。

これじゃ托鉢は無理だろうと、再び眠りについてしまった。


だから今日こそと期待に胸を膨らませていたのだが、

ラオスの天気はなかなか味方してくれないようだ。

降り止まない雨のなか、身支度を整え、そっと部屋を出る。


まだ薄暗い街に、鮮やかなオレンジの列が飛び込んできた。


いた!


傘を差し、そぞろ歩く僧侶たち。

地面にござを敷き、身をかがめて拝む街の人々。

降りしきる雨の中でも、

信仰の深い彼らには1日のはじまりを告げる大切な儀式なのだ。

ずぶ濡れになりながら、その光景を食い入るように眺めた。

霊験あらたまるような気持ちで。


こんな風に始まる朝って、なんだか得した気分。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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