古都ルアンパバーンの朝は早い。
今日も5時に目を覚まし、耳を澄ます。
鳥の囀りと川のせせらぎがそっと耳に届いた、
静かな朝の音、よし晴れた!
昨日もルアンパバーンの朝の風物詩、
「托鉢」に出かけたが、あいにくの雨…。
3日粘った甲斐があって、ようやく穏やかな朝を迎えられた。
素早く身支度をし、街へ繰り出す。
どうせならお寺が密集する通りまで足を伸ばしてみるか。
宿から20分、目的の通りに着いた。
しかし、目を疑うようなひどい光景だった。
オレンジの袈裟をまとい、一列になって喜捨を受ける僧侶たち。
その列を取り巻くように多くの観光客が群がり、
一斉にフラッシュを浴びせる。
厳かな儀式が台無しだ…。
かくゆう自分も、興味本意で托鉢を見に来ている身だが、
僧侶よりも視線を低く保ち、遠くから写真を撮る、
これが最低限のマナーだと思う。
中には托鉢用のござとイスを用意し、
場所を確保して観光客を座らせるツアーまで組まれていた。
周囲には托鉢に使うお米や果物などを売る売り子の姿も多い。
お経を唱えながら喜捨を受ける僧侶たち。
地域住民がありがたがって頭を低くするその横で、
金髪の欧米人ややかましい東洋人がカメラ片手に、
募金でもするかのようにその鉢にお供え物を放り込む。
無表情な僧侶たちだが、そのとまどいが伝わってくるようだった。
この先、多くの文化や伝統に出会う旅がつづく。
自分はあくまで異分子であることを自覚し、
彼らを尊重する心をしっかりと持ち続けたいものだ。
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