ガンジス川でバタフライ?


由緒ある古代都市ヴァラナシは、

ヒンドゥー教徒の世界の中心である。

崇高な巡礼地、そして信仰の小宇宙の中心地として、

古くから栄えてきた。

過去と現在、永遠と連続性が隣り合せに生きている、

独特の町である。


そして聖なる川「ガンガー」。

ガンガーは、天国から流れ出て人類の世俗的な罪を洗い流す。

何千もの巡礼者が川に降りてきて日の出を待ち、

聖なる川に浸ることによって自分の現世の苦しみが浄化され、

罪が洗い清められるという。



昨日までの体調不良が嘘のように回復し、

さっそく早起きしてガンガーを目指した。

午前6時、ガンガーは黄金色に輝いていた。

これはぜひとも対岸から眺めてみたい!と、

ボートを探すも、観光ずれした彼らにはいいカモでしかない。



「50ドル」

ふざけんな!と言いたくなる値段をふっかけてくる。

しかし最近は旅慣れたせいか、こちらにも作戦がある。

周囲を見渡し、インド人がたくさん乗っているボートを探した。


あった!


「おーい、待ってくれ」

まさに出航間際のボートを呼びとめ、

乗せてくれ、と頼んだ。

彼らだってひとりでも多いほうが儲けになる。

地元価格の50ルピー(約135円)で乗せてもらえた。


朝の沐浴姿を対岸から眺めた。

金色の光の中で、祈り、身を清める美しい光景。

心が洗われるとは、このことを指すのだろう。

約1時間の船旅を終え、岸に戻った。


さて、お約束のアレをしますか!?

たかのてるこ著『ガンジス川でバタフライ』。

ドラマで長澤まさみが飛び込んだポイントへと向かった。


友人に荷物を預かってもらい、

準備体操に入る。

なぜか珍しそうにインド人が集まってきた。


さぁ、いくぞ!

恐る恐るガンガーにつま先を浸すと、

ヌルっとした嫌な感触が…。

ヒィィィ!!

ヘドロがくるぶしまで包み込んだ。

「ノープロブレム!」と、

やじ馬インド人が笑う。


そ、そう?


でもね、日本人はこんな茶色い水じゃ

絶対に泳がないもんなんだよ…。

ひきつった顔で奥へ進み、

覚悟を決めてザブンと飛び込んだ。


水はひんやりとして気持ち良かった。

あいにくバタフライはできないので、

クロールと背泳ぎを披露し、

なんとか大和魂を見せつけてやった。


再び体調が崩れないことをガンガーにお祈りし、

シャワーを浴びるため宿に急いだ。


ちなみにガンガーは、道頓堀よりも汚いです…(苦笑)

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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