アイドル復活!


早朝4時、ケータイのアラームで目を覚ました。

ヘッドライトの灯りをたよりに、荷物をまとめる。

そう、今日はバングラデシュへの国境越えだ。


ザックを詰め終わり、シャワーを浴びた後、

部屋の外にある階段に座って朝食を摂ることに。

厚切りのパンに、はちみつを垂らしながらチャイをすすった。


まだ夜も明けきらないサダルストリートを横切る。

昨夜はひどい雨だったにも関わらず、

道端や車のボンネットで眠る人たちの姿があった。

インドってたくましい…。



5時30分発の「ショハグ」のバスに乗りこむと、

寒過ぎるくらいにエアコンが効いている。

上着を取り出し、リクライニングシートを深く倒すと

そのまま眠りに落ちていった。

3時間ほど眠っただろうか?隣のシートには弁当が置いてあった。

国境越えに選んだデラックスバスは朝食と水が配られる。


国境の街「べナポール」までは約4時間、

料金は200ルピー(約550円)だ。

弁当の中身は言うまでもなくカレー(泣)

カレー絶ちしてすでに2週間。最後だから食べておくか…。

もそもそとプリーを頬張り、少しだけカレーを口にした。

相変わらず塩辛いだけの淡白な味…。


そうこうしているうちに国境に着き、

インド側のイミグレへひとり降り立った。

本来このバスはバングラデシュのダッカ行きなのだが、

「国境まで」とリクエストしてあった。

その理由は、バスだと乗客全員がイミグレを通過するのに

2~3時間はかかる。それではあまりに時間がもったいない。

だから、国境から先は自分でバスを拾って進むことにしたのだ。

読みは当たった。ものの10分でインド側のイミグレをスルー、

そしてバングラデシュ側も5分かからずに通過。

まるでフェラーリのピットのような手際の良さだった。



13ヶ国目、バングラデシュ!


さて、どこへ行こうか?

バスを拾い行き先を尋ねる。

「クルナ」

よし、じゃあクルナに行こう。

ローカルバスに乗り込み、クルナへ約3時間の旅が始まった。

(ちなみに料金は100タカ ※約180円)


バングラデシュはツーリストが少ない国である。

だから外国人を見かけると好奇心剥き出しで人が集まってくる。

特に日本人熱はスゴイ!

さっそくバスの中で5~6人に囲まれ、


「兄弟は何人?」

「日本の人口は?」

「その時計は何年使ってるの?」

「住所と電話番号を教えてくれ!」


それはもう、アイドルである。

そういえばパキスタンでもこんな状態だったっけ?

でもバングラデシュはさらに拍車がかかってスゴイのだ。


街を歩く。ふと振り返る。

何人も後をついて来る!(驚)

誰かが英語で話しかけてくる。

待ってました!と、バングラ人に取り囲まれる…。

ニコニコしながら、こちらの一挙手一投足を伺う彼ら。

(なにこれ…!?)

食事をする。ふと顔を上げる。

テーブルの周りには人だかり…(驚)

まったく視線をそらさず、熱い眼差しが!

(イタイ、イタすぎるよ~)


誰かが言った。

「バングラは24時間監視されているみたいで落ち着かねぇ…」

うん、よく分かる。

リキシャに揺られながら、道行く人々に

笑顔を振りまき、軽く頭を垂れて手を振る。


アイドルというより、皇室だな…(笑

人気者になりたい人は、今すぐバングラデシュへ。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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