これが限界なのか…?


気を取り直し(滅入ってたけど)、

歩き始める。

だって歩く以外に未来はないもの。

ノーウォーク、ノーフューチャー。



ストップウォッチで歩行時間を計っているのだが、

すでに10時間を越えていた。

(そりゃ足元もふらつく)



午後5時、目標にしていた「タトパニ」の村に着いた。



小さな村ながら、温泉で有名な村である。

早々に宿を決め、湯に浸かった(生き返る~)。

川辺にある大自然露天風呂。

よく銭湯では富士の絵が描かれているが、

ここは本物のアンナプルナが背景だ。


ぬるめの湯が疲れた身体に染み渡る。

今日もよく歩いたなぁ。

もはや身体は限界だった。

指先だって動かすのがおっくうなほど。

温泉に浸かったまま、あれれ、動けやしない…。

頭の指令に身体が拒否反応を示していた。


それでも息を切らしながら、宿までの道を這い、

ベッドに転げて天井を見上げた。

自分の限界とは、

自分で決めるものでもましてや人が決めるものでもない。

「限界」そう思った瞬間から、

身体や心にブレーキがかかってしまう。

その先の未来はお蔵入りとなる(南無)。


限界とは、自ずとやってくるもの。

力を使い果たしたとき、

「限界ですよ」と、

どこからともなく合図が送られる。

それまでは、歯を食いしばって進むしかない。


ただ歩いてるだけなのに、

こう毎日のように限界を知るとは…。

結局この日、12時間(約25km)を歩いた。

昨日よりもずっと長い距離、長い時間だった。


限界って、ちょっとずつ遠くなるみたいだ。

さて、明日の限界はどこかな? 

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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