溺れる魚


マナハという街から「ホデイダ」へと移動した。

距離にして約130㎞、バイクタクシーと乗合タクシーを

3台乗り継いでやって来た。

(料金は1100リアル ※約550円)



ホダイダは、紅海沿岸に位置するイエメンの港町。

この紅海沿いの平野はティハマと呼ばれ、

「ティハマを見なければイエメンの半分を見なかった」

と言われるほど、気候や文化が変化に富んでいる。

たしかに、アラブ人に交じってアフリカ系の顔が目立ってきた。


さて、ここホデイダの見所といえば

「フィッシュ・マーケット」だろう。

紅海で水揚げされた鮮魚がところ狭しと並べられている。

中にはマグロやカツオ、イワシといった日本でお馴染みの魚も。

以外に多いのがサメで、フカヒレは中国へ輸出されるらしい。


ホテルからタクシーを飛ばしフィッシュ・マーケットへ。

潮の香りに混じって、魚の匂いが漂ってきた。

カメラ片手に魚市場を見学していると、

自慢の魚を誇らしげに掲げ、

「写真を撮れ」とポーズを決める漁師たち。

(ムスリムの人ってホントに写真好きだよね)


市場のすぐ隣にあったレストランに入り、

ほぼおまかせで料理を頼んだ。

窓からは紅海が見下ろせる最高のロケーション。


待つこと20分、大きなトレイに乗せられた

焼魚が登場した。

箸がないのでおもむろに手で身をつまむ。

塩とチリで焼き上げたスパイシーな逸品。

うーん、旨い☆ もう、ひたすら黙って食べ続けた。

欲を言うなら、あと大根おろしがあればなぁ…。


魚を手で食べていると、

なんだかチキンを食べている気分になる。

骨をしゃぶり、皮(ウロコ)もバリバリ。

こういう野性味あふれる食事は、

美味しさが数倍アップする気がする。


いやぁしかし、焼魚を食べたのはこの旅では初めて。

こんなに美味しかったんだね…コイツ。

もし日本で例えるなら、松坂牛レベルという感じかな?

これ以上ない!ってくらい身という身を食べつくした。

溺れる魚、もとい、溺れる魚に…。


プシュっ!っとプルタブを開け、

缶に口をつけ、グビグビと喉を鳴らす。

ぷふぁ~、うまい!!

このコーラ♪


イエメンはムスリムの国なのでビールはない。

まぁ、あったところでビールは嫌いだが…。

外は今日も45度、湿度も100%だ。

汗を掻きながら、肴とコーラ、最高じゃないの☆


夏色の空と紅色の海。

終わらない夏を旅している。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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