トルコのとりこ


カッパドキア観光2日目、本日も快晴だ♪

ツアーには参加しないため(高いですから…)

ガイドブック片手にひたすら歩く。


残念なことに、

『C球の歩き方』のカッパドキアの項には、

縮尺の大きな地図しかない。

“歩き方”と謳っておきながら、

ここでは歩いて観光することを想定していないようだ。



だから道に迷いまくった…(汗)

最初の目的地は地図ではおよそ3kmの「ゼルヴェ」。

ところが実際は6kmもあった…(頼むよ)


切り立った丘に聖堂や住居跡があり、

つい30年前まではここに人が住んでいたという。

今にも崩れそうな狭谷を登り、中の様子を見てまわった。

巨大な一枚岩でできた住居跡。

よくもまぁこんなものを作ったな、と感心させられる。


しかし、カッパドキアは底が知れない。

昨日あれだけ絶景を眺めたのに、今日はまた違う表情を見せる。

流線型の奇岩が、徐々にキノコ型に変わってきた。



つづいての目的地は「パシャバー」。

ここはよく絵はがきやポスターで目にする、

キノコ岩で有名な場所だ。


チャウシンから歩くこと1時間、

3本のキノコ(シメジみたい)が生えている

岩が見えてきた。

パシャバーにはたくさんの観光バスが停まっていた。

そして日本人ツアー客もどかどかと降りてくる。

その数約20人。

久々にこれだけの日本人を見た気がする。


「すっかり現地化してるけど、何日目?」

ツアー客のおじさんが話しかけてきた。

はい、半年です…。あ、トルコは1週間ですけど。

自分ではわからないが、長旅のオーラというか、

疲れが漂ってるのかなぁ??


不思議なキノコ岩を見ながら、

普通はこんな絶景が見られるのは

年に1度あるかないかだろう。

それを半年もの間、日替わりで見てきたんだから

贅沢な旅だよなぁ、と旅を反芻した。


思えば昨日から、

カッパドキアを歩いて回る人は誰も見かけていない。

お金よりも時間が惜しいはずだから、

そんな非効率なことはしないのだろう。

長く旅することで、ひと味もふた味も違う

旅のスタイルが楽しめるのだ。


バスが去り、静かになった。

気が済むまで、好きな場所に居られるのもこの旅の特権。



「ドンドゥルマ」と呼ばれる(←のび~るヤツね)

トルコアイス屋のおやじと戯れ、

ラクダにちょっかいを出し、

トルコ人のデジカメを直してあげた。

これが“ふれあい”ってやつ?

気持ちや時間にゆとりがないとできないね。

日本じゃ知らない人と、こんなに仲良くなれないもの。


また歩き出す。

最後は「アヴァノス」という陶芸の街を目指した。

案内標識には5kmと書いてある。

どこまでもつづく一直線の道。

広大なトルコの台地を踏みしめた。

ずっと街は見えていたが、いっこうに近づかない。

まるで蜃気楼のように、ゆらゆらと揺れていた。

到着すると、すでに街は赤く染まり始めていた。


結局15kmも歩いたことになる。

最初は節約のつもりだったが、

次第に気分が良くなり、

こんな絶景と歩けたことを誇りに思った。

陶芸の工房を覗こうと思ったがタイムアップ。

何しに来たのかわからないが、

心は満たされていた。


何を見た?どこへ行った?

そんな目的はいらない。

いつも目標だけあればそれでいい。

結果よりも経過。

そんな旅のほうが楽しいに決まってる。


明日もそんな1日になりますように。

すっかりトルコの“とりこ”になってしまった。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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