ノープロブレム!


12時間も眠ってしまった…。

きっと久々のエアコンがそうさせたのだろう。


ここはシリアのラタキア。

シリア最大の港街であり、

文化を交換する窓口として栄えてきた。

洒落たイタリアンレストランが目立つ、

開放的で、垢抜けた感じのする街だ。



普通ならここでのんびりするところだが、

キプロスで嫌ってほど、時間を持て余した後なので

早々に離れることにした。

寝坊したせいで、

観光するにも中途半端な時間になってしまったし…。



シリアのバス停はガレージュと呼ばれる。

もちろん土地勘はないわけだが、

地図を片手に歩いていれば、嫌でも誰かが案内してくれる。

「どこに行くんだい?」ってね。


徒歩1時間、思った以上に遠かった。

気温35度に加え、地中海の湿った空気が堪えた…。

売店に駆け込み水を購入。

ラマダーン中なので、飲んでいいかい?と、

ボトルを指差しながら周囲に確認を求めた。


「ノープロブレム」


みんな笑っている。じゃあ、いただきます♪



本日の行き先は「アレッポ」。

ラタキアから約150km、

料金は150シリアポンド(約400円)だった。

バスは小さいながらもエアコン完備。

ただ、隣に巨体のあんちゃんが座ったので、

冷暖房になって中和されてしまったが…。



約4時間のショートトリップ。

いくつかの山を越えたころ、一際大きな街が飛び込んできた。

シリア第二の都市、アレッポのお目見えだ。

おお、都会だぁ。でも都会は苦手だ…。



バスを降りると、うだるような暑さだった。

街角の温度計は37度を指している。

日差しよりもこのまとわりつくような湿気!

これが天敵なんだよっ。


ガイドブックに載っていた

『スプリング フラワー ホテル』に飛び込んだ。

料金は上がっていた。たった1年で2倍だもの…。

がっかりしていると、「屋上部屋があるよ」と、

オーナーのカタコト日本語が返ってきた。



そう、シリアの宿にはよく「屋上」と表記されている。

はじめはホントに屋上に雑魚寝だと思っていた。

ところが、実際に部屋を見せてもらうと

ちゃんと屋根があるし、布団も。

ただ、最上階にあるから上り下りが大変なだけで、

それ以外の問題点は見つからない。

しかもこのホテルでは、エアコンまで付いて

175シリアポンド(約420円)だった。



オーナーは「ハッサン」という。

パッと見た感じ、街角で偽造テレカでも売ってそうな

いわゆる不審顔…(ゴメン)

でも、話してみると魅力に満ちた人物だった。



シリアに入ってから困っていたことが3つあった。

両替ができない(銀行が見つからない)

ネットができない(看板がアラビア語で…)

絵はがきが見つからない(土産屋をみかけない)

ハッサンにこの3つの質問を投げかけてみると、

あるよ、できるよ、ノープロブレム!

ホテルはネット完備で、受付で両替もしてくれた。

絵はがきも引き出しの奥から出してきてくれた。

ハッサン、やるぅ~♪

さらに、明日は観光に行きたい旨を告げると

荷物は何時まででも預かってくれるという。


というわけで明日は「アレッポ城」へ。

その後はバスで次の街へ移動しようかな?

大好きな遺跡が目白押しなので、忙しいんです(笑

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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