カレーなる食卓


パンドラの箱には“希望”が入っていたが、

日本から届いた玉手箱には

“カレー”が入っていた☆


辛くて甘い明日への希望。

パッケージのとろける、という文字に

心はすでにとろけはじめていた。



ここカイロの宿『スルタン・ホテル』には

多くの日本人客がいる。

そして自由に使えるキッチンがあるため、

連夜のシェア飯が開催されている。


「今夜はカレーだよ」

このひと言で英雄となった。


決を採ると、なんと13人もシェア飯希望者が集まった。

カレー効果は絶大だ。

15合も米を炊き、大鍋に野菜とルー、

そして明日への希望を混ぜ込んだ。

長く旅をしていると、ホント日本食が恋しくなる。



日本人が3人以上集まれば

決まって食べたいモノの話題が場を彩る。

ラーメン、焼肉、寿司。

御三家には引けを取るものの

日本のカレーは世界一だと自負している。



そうこうしてるうちにキツネ色、

いや黄金色のカレーが完成した。

ご飯を盛り、ルーをよそう。

あぁ、これこそ幸せの瞬間だぁ♪



いただきます☆

元気な声が揃う。


う、旨い!!

歓声と溜息。

韓国人のチャチャとチョ・ソンも

「カジュさん、おいすいよ」と満足気だった。



誰もが大きく息を吸い込んで

黄金色の海に潜る。

もう言葉はない。

いつしか大鍋のカレーはキレイに空になった。


たまたまインド人が同じ宿に泊まっていたので

日本のカレーを薦めてみた。

手で食べようとしていたので

ここは日本流。

すかさずスプーンを手渡した。


パクリ。

(ど、どうだ?)

息をのむ瞬間だ。

ヤッホ(インド人)は、

んー、グッド!!

と、親指を突き出して笑った。

でしょ(笑


よっぽど日本カレーが気に入ったのか、

ちゃっかりお替りをしたヤッホだった。



日本を離れて7ヶ月、

エジプトで口にしたカレーは

ピラミッドよりも感動しました。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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