ようこそ、エチオピアン・ナイトへ


エチオピアの朝は早い。

バスが1日1本、しかも早朝5時発…。


というわけで、夜も明けきらない午前4時に

耳障りなアラームが部屋に響き渡った。

バッドモーニング、そして寒い…。


昨夜はベッドに横になった瞬間、

チクチクと体中に刺激が走った。

そして数分後、かゆみと小さな腫れが。

そう、ダニである。

閉め切った部屋(窓はない)で、

おそらくシーツなんて

月に1回交換するかどうか…。


ザックからビニール製のカバーを取り出し、

シーツの上に敷いて寝た。

蚊、ダニ、ノミ、南京虫…

アフリカには小さな強敵が潜んでいる。



バスまでは地元のおばちゃんが案内してくれた。

おかげで外国人料金ではなく、

ローカルプライスで乗車することができた。

ゴンダール→バハルダールは、乗車時間3時間、

運賃は40ブル(約400円)だった。


ミニバス(ワゴン)は狭く、

そして、とても固いシートが堪えた…。

それでも僕らは眠った。



午前8時半、「バハルダール」に到着した。

青ナイルの源流で、エチオピア最大のタナ湖がある。

タナ湖に出ると、草の一種のパピルスで作られた

ボートがあちらこちらに停泊していた。

タナ湖には 33の島があり、

島にはエチオピア正教の修道院がある。

残念ながら、観光ズレした客引きが多く、

ボートに乗るといくら請求されるか

わかったものじゃない…。



湖畔から眺めてその場を去った。

ここバハルダールへやってきた理由は

観光ではなく、中継である。

今は「ラリベラ」という

世界遺産の街を目指していて、

距離はそれほどでもないのに、道が悪く、

ここバハルダールからでもあと2日かかる。


何度も言うように、エチオピアのバスは

そんじょそこらのバスとはレベルが違う。

苦行という表現がしっくりくるほど過酷だ。



宿は30ブル(300円)だった。

今日はエチオピアの宿泊事情を少し解説したい。

この価格帯が安宿の相場で、

部屋はダブルベッドが1つ置かれているだけで

もちろん装飾品は皆無。

電気は夕方から4~5時間しか通わない。

窓はときどきある、感じ。(今日は窓付き)

トイレ、シャワーはもちろん共同。

シャワーは当然真水で、

シャワーがない宿も珍しくない。

じゃあ、どうするかって?

たらいに水を汲んで、野外で豪快に浴びるのさ(笑


ベッドには先客がいて、

ダニ、ノミ、南京虫が巣食っている。

夜はマラリアを運んでくるハマダラ蚊が

来客するので、必死の闘いだ(汗)



エチオピアの夜は暗い。

おちおちトイレなんか行けやしない。

そこで、夕方になると

洗面器とペットボトルが各部屋に配られる。

つまりこれがトイレというわけ…。

幸いにも文明の利器である、

懐中電灯を持っているので

まだ御用にはなっていないが(笑

これまでにアジアの安宿を歴訪してきたが

どこよりもタフだ…(苦笑


でもいつも、「マジで~!?」と、

悲鳴をあげながらも

笑って泊まっている。

アフリカだもん、

生きよう、生き抜こう!

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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