未知との遭遇!?


ジンカで目覚めた朝は、ボロボロだった…。

昨夜は部屋に蚊が出て大騒動!

だってマラリアになりたくないし、

かみゆと羽音で眠れないもの。


昨夜の行動パターンを紹介しよう。

寝袋にもぐる→暑い→出る→刺される!

もうっ!!

電気をつける→蚊を退治→電気を消す→刺される!

まだいたかっ!!

虫除けを塗る→電気を消す→1時間後、刺される!

なんで!?

→あきらめる



蚊に刺された後を数えながら、

カーテンを開け、朝のまぶしさに顔をしかめた。

今日は土曜日、ジンカのマーケット開催される。



最近の朝食はケーキ。

エチオピアはコーヒーの国だけあって、

カフェ文化が発展しているため、

朝食はここで済ませている。

たいていケーキ2つと、熱いチャイを注文して

7ブル(約70円)である。

胃にも、懐にもやさしい。

その甘みが身体中を駆け巡り、

脳を目覚めさせ、元気をくれる。



午前10時、マーケットはもう活気づいていた。

ここジンカのマーケットは、

周辺に住む少数民族が集まることで有名。

お目当てのムルシ族をはじめ、

バンナ族、ハマル族、アリ族に出会える。

ジンカ中心部に市場があって、

いかにもアフリカらしい光景に出くわした。

地べたに布を敷き、野菜や粉などが並ぶ。



正直これといって変わった物は売ってないが、

あきらかに様子がおかしい人たちがいた。

腰布だけの人、鎖かたびらのような髪型の人、

槍を持ち、耳たぶが異様に大きい人…。

未知との遭遇だった。



恐る恐る、「写真を撮ってもいい?」と尋ねると

もちろん!と言わんかの笑顔。

ふたりの間に収まり、パチリ☆

ここでは謝礼として2ブル(約20円)渡すのがルールだ。



言葉はもちろん通じないが、

バンナ?アリ?と、どこの民族かを聞いてみた。

「ムルシだよ」

え”っ!? 

む、ムルシ??

わぁ、いきなり会えちゃったよ(驚



ムルシ族といえば、女性が有名で

下唇に大きな皿をはめている。

男性はいかにも戦闘民族(サイヤ人か!?)

という印象で、

黒光りした鋼の肉体がたくましかった。

この人たちを怒らせたら

いったいどうなることか…!?



マーケットを歩いていると、

たくさんの民族が行き交っていた。

髪型とアクセサリーに特徴があるのがバンナ族で、

頭にバンダナを巻いてるのがアリ族。

あ、またムルシ族がいた♪

と、商品よりも人間観察に忙しい。



この人!という意中の人を決め、

そっと「写真撮ってもいい?」と声をかけた。

まるで芸能スカウトか、

キャッチセールスをしてる気分だった。


「あ、ちょっとお時間ございますか?

今、道行くオシャレ民族を探してまして」

って感じで(笑



↑ムルシ族



↑バンナ族の女性



↑バンナ族大集合


暑さが厳しくなってきた正午、

市場の真ん中にあるロータリーに

腰かけて休んでいた。

今度は自分たちの番だった。

しだいに人が集まり、もの珍しそうに眺めていく。


そりゃ、今さら少数民族なんて彼らにゃなんとも思わない。

それよりも、この東洋人のほうが街の異分子だ。

未知との遭遇、彼らもそう思ったはず。

不思議そうに、じっと視線をはずさなかった。


もし、写真を撮ろう!といわれたら

喜んで応じただろう。1枚2ブルでね(笑



好奇心の強いムルシ族が

カメラを貸してくれ、と言い出した。

彼らの槍と交換し、ポーズを決めると

震える手で、パシャパシャとシャッターを切った。

次はオレだ、と言い争っている姿も滑稽だった(笑



↑ムルシ族が撮った写真

(エジプトから一緒に旅をしてるヒロくんと)


明日ね、君らの村にオジャマするだよ。

日本語で、そう伝えた。

そう、ムルシ村のツアーを昨日手配してきたのだ。

???

首をかしげながら、

名残惜しそうにカメラを返してくれた。


じゃあ、また明日。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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