3泊4日のサファリツアー、
2日目は「マサイ・マラ国立公園」に場所を移す。
マサイ・マラは、ケニアの南部、
タンザニアのセレンゲティ国立公園と隣接し、
数十万頭と言われるヌーやシマウマの大移動で有名である。
広さは大阪府とほぼ同じで、
世界一の動物相・個体数を誇ると言われ、
動物に接近しやすいため観察がしやすい。
あぁ、サバンナかぁ―
どこまでも広がる青空、漂う草の匂い、
大地を赤く染める夕日・・・
またしてもテレビの世界へと足を踏み入れる。
それにしてもこのツアーは快適だ。
1日あたり90ドルと決して安くはないが、
いい宿、美味しい食事、そして親切なガイド…
文句なしの満足度である。
ベッドが良かったためか、昨日はしゃぎ過ぎたせいか、
とにかくよく眠れた。
いつもは必ず1度は目が覚めるのに、
朝まで熟睡だった。
サファリカーは助手席が指定席。
ガイドの運ちゃんいわく、
「他の3人はすぐに寝るから、お前は隣にいろ」と。
まぁ、退屈しのぎというわけだ(笑
ケニアんジョークに苦笑いしながらも
あったかい時間が過ぎた。
途中で「ニョマ・チョマ」と呼ばれる
ケニアの焼肉を買い、
それをつまみながら会話はつづく。
手づかみで食べるため、
ハンドルは油でテカテカに光っていた。
ビュッフェのランチを食べ、
少しだけ転寝してると
マサイ・マラ国立公園に到着した。
時計の針は午後4時を差していた。
「さぁ、サファリを始めよう!」
長距離ドライブの疲れも見せずドライバーの
スティーブンは元気だった。
「ライオンとゾウ、それからキリンが見たい」
そう告げ、2回目のゲームサファリ開始。
サバンナに広がる青空が美しかった―。
昨日とは違い、鳥や小動物ばかり現れた。
こんなにも広い場所で、あまりにも小さすぎて
物足りなかった…。
「キリンは?ゾウは?」
まぁ、待てと、のんきなスティーブン。
ケニア人は目がいいと言うが、
彼もまた驚くべき視力をしていた。
「あそこにゾウがいる!」
どこ、どこ??
日本人にはとうてい見つけられない。
想像よりもずっと、ずっと向こうに車を走らせた。
ぞ、ゾウだ☆
半径50m以内に近づいてようやく確認できた。
子連れのゾウファミリーは、
のし、のし、とサバンナを我が物顔で歩いていた。
車をゾウに近づけると、
親ゾウがじっとこっちを見ていた。
子ゾウたちは足元に隠れながら
小さな鼻で一所懸命草を食べている。
これまで幾度となく、
こんな光景に出くわしているのだろう。
逃げることもなく、威嚇するでもなく
ただじっとそこにいた。
いつしか草原はオレンジに染まり、
風が冷たくなってきた。
「そろそろ帰ろうか?」
スティーブンの問いかけに頷いた。
宿は丈夫な屋根付きのテントで、
中にはベッドとシャワーが備え付けられていた。
アフリカの夜は寒い。
風を通さないように、分厚いカバーがしてあり、
3時間だけだが、電気も通っていた。
夕食もビュッフェで、
山盛りのパスタを3皿も食べてしまった(笑
午後10時に、バチンと電気が落ち、
真っ暗な闇に支配された。
遠くに得体の知れない動物の泣き声が轟き、
バサバサと風でテントも鳴いていた。
目を閉じると、あっと言う間に
深い、深い夢へと落ちていった。
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