猿の惑星!?


ここはマダガスカルの首都「アンタナナリボ」。

目が覚めると同時に胸が高鳴った。

だって、夢が叶った瞬間にいるんだもの、

興奮せずにはいられない。そんな場所。



マダガスカルといえば、キツネザル!

今日はこいつを見に行こうと思う。

昨日、旅行会社を回って仕入れた情報によると

わざわざ有名な自然保護区に足を運ばなくても

近郊の自然公園で彼らに出会えるという。

放し飼いにされているので、人馴れをしていて

容易に近づくことが可能だとか。



目指す場所は「レミュールパーク」。

アンタナナリボ市内から車で約30分の郊外にあり、

園内では、キツネザルやシファカが放し飼いになっていて

マダガスカル固有種の動植物を見ることができる。

タクシーを約1200円でチャーターして向かった。




入場料は12000アリアリー(約720円)。

チケットを購入し、入口のゲートをくぐった。

係員にガイドを薦められたが、

あいにく懐に余裕がない…。

ケニアのサファリの経験を生かして、

自分たちの目で見つけることにした。


ここはカメレオンもいるの?

そう尋ねると、

「いるよ、ほら」

ほらって!?



あ”っ、いた☆

木の葉に同化しながら、

のっそり、のっそりと動いていた。

ギョロっとした目つきが愛らしく、

しっぽをクルクルに巻いていた。

なんだ、この気軽に動物に会えちゃう感!?



園内はぐるっと1周できるように整備されていて

まるで大きな庭を歩いているような感じ。

お目当てのサルたちを見つけるべく、

足早に園内を歩き出した。



植物も今まで目にしたことがない

珍しい固有種が多かった。

まだ小さなバオバブやお化けサボテン、

そして、桜のような花を咲かせたジャカランダ。



不思議なことにマダガスカルは、

アフリカ大陸との動植物の共通点はほとんどない。

これは、大昔に起きた大陸移動によって

アフリカ大陸から離れて孤立したため、

独自の進化をとげてきたからである。


森をゆっくりと歩き、

カーブを曲がった次の瞬間、息を飲んだ…!?


い、いた☆



白い毛並みに茶色いお腹。

横っ飛びで移動するコミカルなサル「シファカ」だ。

どうやらファミリーのようで、

5匹でのんきに昼寝をしてる最中だった。


足音を殺しながらそっと近づく。

気配に目を覚まし、ハッと目を見開くも

すぐにうとうと…。

よっぽど人馴れしてるのか、逃げる素振りはない。



2mという至近距離に近づきカメラを構える。

ときどき、何?って顔でこっちを見るも、

さほど関心を示さない。

だらしない格好でくつろぎつづけた。


“横っ飛び”が見たいなぁ。

もう、彼らとの距離は30センチ。

ほとんど隣合って座っている。

そっと背中を撫でるも、動じなかった…。


時間はいくらでもある。

シャッターに人さし指をかけたまま

左手に木の枝を持ち、シファカをつついてみた。

すると、ヒョコっと立ち上がり

有名なジャンプを披露してくれた。



音もなく、バネを使って、ピョコピョコ。

まるで忍者!!

おぉ、カッコイイ☆


1匹が移動すると、

他の連中も後を追うようにジャンプ。

いつしか縦横無尽にシファカが飛び回っていた。



あまりの光景に嬉しくなり、

彼らのジャンプを真似して後を追いかけた。

さすがにビックリしたのか、

ギアをあげて加速して逃げていく。

おーい、待て、待て♪



すぐ隣の木にはキツネザルがいた。

赤ちゃんザルが多く、オギャー、オギャーと

人間の赤ちゃんと聞き紛うような声で泣く。

シファカよりは警戒心が強いようで

近寄ってレンズを向けると

プイっと背中を向けた。



オシャレなエリマキをつけたキツネザルもいた。

まだ生まれて間もない、小さな赤ちゃんも。

のしのしと、マダガスカルホシガメも登場した。


すごいな、ここ!!

野生の王国か猿の惑星だよ。

ひとしきりサルたちに遊んでもらい、

隣接したカフェで紅茶をすすった。


マダガスカルは楽しい。

人も動物も、とっても素朴。

メルヘンの香りがして、

ますます童心へとかえっていく。



次はアイアイが見たいな。

今まさに夢が叶った瞬間にいるが、

その中にもまだ夢がいっぱい詰まっている。


楽しい!!

そう声に出して叫びたい気分のまま

満ち足りた1日を過ごした♪

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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