ところ変われば…



コロンビアの首都「ボゴタ」。

人口約770万人の大都市で、

標高2640mのアンデス山脈の盆地に位置している。

チリのサンティアゴ以来となる高層ビルを目にした。



じめっとした空気の中で目を覚ます。

外は雨、そして布団から出るのが嫌なくらい寒い。

シャワーは水、暖かくなる昼まで待つとしよう。

チェックアウトは15時だと言うので

とりあえず街に出て新しい宿でも探そうか。



最近はすっかり晴れ男。

外に出ると同時にパッタリと雨が止んだ。

赤茶けた街、古いレンガ造りの家が目立つ。

地図を持っていないので来た道をしっかり覚えながら

頭の中に地図を描いていった。

2時間ほど歩き回り、だいたいの構図がわかってきた。



さて、宿探しの前にやっておきたいことが1つ。

ここから「パナマ」へと飛ぶチケットが必要だ。

南米大陸の最南端から北へ北へと辿ってきた

パン・アメリカンハイウェイはここコロンビアで途切れる。

コロンビアとパナマは国を接しているものの

陸路での国境越えはほぼ不可能。

道がないのでジャングルを行くこととなり。

そこはゲリラの温床となっているとか。

多くの行方不明者も出ている…。

『進め!電波少年』ではドロンズ(懐かしい)が

陸路でのヒッチハイクをあきらめた場所である。



というわけで、航空会社と旅行会社を巡った。

コロンビア→パナマの航空券はどこも350ドル前後。

距離を考えると高いが買うしかない。

意を決し、財布に手を伸ばすも問題が発生した。

「片道じゃ入国できないよ」

そう、これを恐れていた!

中南米の国はあの9.11のテロ以降、

片道切符での入国を拒否している。

当然パナマもしかり。



「片道で大丈夫でした!」というブログもいくつか見てきたが

いざ自分の番となると悪い想像ばかりが膨らむ。

ましてや負のスパイラル中...往復で買っとくか?

しかし往復チケットは約600ドル!

叫びたくなるほど高かった。無理だ。


出国のチケットがあればいいんだから

バスのチケットをネットで購入しよう。

ネットカフェへと急いだ。

バス会社のサイトを覗くも、

ネットでの予約は受け付けていなかった…。

もう泣きたい。

いっそ日本に帰ろうか?



そんなことを考えながら、これでごまかせないかな?

と、バス会社の時刻表をプリントアウトした。

チェックアウトの時刻が迫っていたので

荷物を取りに部屋に戻った。

じめっとした嫌な感じの部屋。今の気分と一緒。

気分転換にと、宿を代えた。

ホテル『アラゴン』、日本人が定番宿にしている場所。

さっきのネットカフェで住所を調べてきたので

タクシーで向かった。



宿代は20000ペソ(約800円)。

部屋はキレイで、待望のホットシャワーに出会えた。

3日ぶり~、幸せ~♪

あれ、ネットも繋がるじゃん!ラッキー。

上昇気流に乗ったようだ。



新たに見つけた旅行会社で最高のラッキーを手に入れた。

パナマまでの片道航空券は400ドルと言われ、

帰ろうと振り返ったそのとき、

ある張り紙が目に飛び込んだ。


「コロンビア⇔パナマ 300ドル」


なにこれ!?

聞くとキャンペーンフライトだと言う。

先に教えてよ、そんないいものあったの!?

「だってこれ往復だよ?いいの?」

全然問題ナシ!往復が欲しいの!!

航空券の不思議。片道よりも安い往復券。

破格の300ドルで手に入れてしまった。

「帰りの日にちは5月以降しか空きがないけど…」

ううん、問題ないです。いっつでもいいの。

(だって帰りは捨てちゃうもん)



なんだか久々にいいことがあったので

「夢かも?」

と、一応現実かどうかを確認しておいた。

もちろん大丈夫だった(笑


ところ変われば…だね☆

宿を代えたら一気に運が回復したよ。

気分がいいから料理でもしよう。

今日はカレーでも作ろうか?

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

0コメント

  • 1000 / 1000