導かれし者たち



目標だった57ヶ国目、「グアテマラ」に入国。

今朝6時過ぎにサンサルバドル(エルサルバドル)

を出発したバスは正午にグアテマラシティに到着した。



■サンサルバドル→グアテマラシティ

(所要時間:5時間/運賃15ドル)




首都グアテマラシティは想像していたよりもずっと田舎で

まだまだこれからの国だった。

パナマから始まった中米の旅、

パナマシティの大都会ぶりに驚かされたものの

その後はアジアと変わらない長閑な街がつづいている。



バスターミナルでタクシーを拾い

違うターミナルへと急いだ。

行き先は「パナハッチェル」、静かな湖畔の町。

グアテマラシティーから約150km西に位置し、

世界で最も美しいとされるアティトラン湖がある。



周辺には先住民の村々が点在し、

アティトラン山、トリマン山、サンペドロ山と

3つの火山が取り囲んでいる。


■グアテマラシティ→パナハッチェル

(所要時間:4時間/運賃30ケツァール ※約360円)



いやぁ、久々のボロバス(失礼)でひどく疲れた。

チキンバスと呼ばれるブリキのおもちゃのようなバスで

狭い座席に硬いクッション…

道は悪路でガタガタと揺れ、窓からは容赦なく砂埃が舞い込む。

出発時は6人しか乗客がおらず、

「さあ、みんな寝ておけ」

と運転手がミラー越しに大きな声を張り上げた。

その合図とともに全員がゴロンと横になる。不思議な光景。

でも、1時間後には満席になり窮屈な思いをすることに。



パナハッチェルに降り立ち、周りをキョロキョロした。

あ、いた!

そこには南アフリカで別れた旅の相方ヒロの姿が。

「久しぶり~☆」

およそ2ヶ月ぶり再会。



彼は別れた後、南アフリカからグアテマラに飛び

ここパナハッチェルでスペイン語学校に通っている。

南米の旅を捨てて選んだ旅のゴールだ。

安宿を紹介してもらい、町を案内してもらった。

「いいところだね、ここ♪」



静かな湖は心地いい風と小さな波の音。

通りには屋台が並び、アジアに似た空気を感じる。

とても気に入った。ようやく中米の旅が始まった気がする。


「明日は湖畔の村を散策してくるよ」

1泊だけだった予定を2泊に繰り上げ

世界遺産の古都「アンティグア」へ行く選択肢を捨てた。

常に何かを選び、何かを捨てる。それがこの旅。

全部が全部は手に入らない。人生と同じ。

だから葛藤し、迷い、ときにあきらめる。

それでも選んだ答えはいつも輝いている。

ああ、これで良かったと。



南米を捨てスペイン語を学ぶ

彼もまた「これで良かった」と思っているはず。

選んでいるのか、導かれているのか

ときどきわからなくなるけど…。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

0コメント

  • 1000 / 1000