国境を越えて…

物価高に悩まされ、早々にシンガポールを後にすることに。

たまたま見つけたこの安宿のすぐ近くに、

「クイーンバスセンター」国際バス乗り場があった。


次なる国はマレーシア、目指すはジョホールバル。

ジョホールバルと言えば、思い出すのが1998年のフランスW杯。

岡野の劇的ゴールで日本が初めてW杯行きのチケットを手にした場所だ。


さて、陸路で国境を越えるのは生まれて初めて。

W杯へ出場するかのごとく、大いなる挑戦である。

バス乗り場は、わらわらと人が集まり

10分置きに出る国際バスで次々とマレーシアへ送られていく。


「ちょっと隣街まで買い物に」のような、気軽さには拍子抜けするなぁ…。

わずか40分、しかも2.4S(200円)シンガポール側のイミグレに着いた。


外国人用のゲートに並び、緊張の出国審査。

憮然とした女性が威圧的に待ち構えていた。

が、パスポートを一瞥しただけで「OK」とスタンプを押してくれた。


あれ??こんなにあっさり?


再びバスに乗り、今度はマレーシア側のイミグレへ。

またまた緊張の瞬間がやってきた。今度は若い男性。


―ドッカラキタ?

「ジャパン!」


―マレーシアデハドコヘイク?

「クアラルンプール」


―ナンニチイル?

「4デイズ」と、


適当に返事をし、スタンプをもらった。

荷物を担ぎ、出口へと歩き始めると

「アリカト、サヨナーラ」と係の人から日本語でエールが。

右手を軽く上げて返し、こうして初の陸路国境越えをスマート(?)に達成した。


重たいザックを担いで新しい国を踏みしめる。

地図で見れば小さな1歩だけど、確実に前に進んだことを実感した。

そして、旅人としての1歩も刻んだ気がする。 

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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