ジョージタウンに酔う


雨季だからか、ペナンだからか。とにかく雨が降る。

大音量のコーランが響き、目を覚ました。

コーランに負けじと、激しい雨音が窓を叩いていた。


あちゃぁ、、雨だよ。

がっつりと街の観光をしようとウキウキしながら眠りについたのに。

少しがっかりしながら再び夢の中に落ちた。

10時30分。再び目を覚ますと雨はあがっていた。

あれは夢だったのか? 嘘のような快晴。

急いで準備をし、3台のカメラをぶら下げて街へと繰り出した。


ここはペナン島にあるジョージタウン。

多民族と新旧が交わる町並みを有する、

英国コロニアルの雰囲気を色濃く残す街で、

第二次世界大戦以前の建築物が1万棟以上も残り、

まるで街全体が歴史博物館のようだった。


うまく言葉にできないけど、

白く美しい建物たち、その端正でレトロなデザインに心奪われる。

コーン・ウォリス要塞、聖ジョージタウン、観音寺、

まだまだ!

ビルマ寺院、寝釈迦仏、クー・コンシ…。


30度を超すマレーの太陽の下、

汗をぬぐい、冷たいコーラを流し込み、

道に迷い、見知らぬ人に助けられながら

チカラの限り歩き回った。


視界に海が開けた。

展望台のような小屋に横たわり、水平線に目を細める。

この海のずっとずっと先を目指す旅。

その果てしなさにブルっと震えるが、

終わらない無限の可能性に心がときめいていた。


汗が乾き、風が冷たくなってきた。

明日からは3カ国目のタイに突入。

もっともっとマレー半島を北上しよう! 

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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