アジアの変化


暑さが厳しかったスコータイを離れ、

タイの北部、パーイへやって来た。

山岳地域に地域に位置し、周辺には山岳少数民族の村が点在する。

いよいよ辺境の地だ。


実は昨夜、チェンマイに到着し、

「ここでゆっくりしようか?」などと話していた。

しかし、チェンマイ名物のナイトマーケットに出かけ、その考えはパタリと消えた。

2年ぶりに訪れたこの地。あまりに変わってしまっていた。

なんでこんなに物価が高いのか?この旅を始めて、うすうす感じていたこと。

それはアジア諸国の物価の上昇。

ちなみに2年前の『地球の歩き方』を参考にしてるのだが、あまりに値段が噛み合わない。

宿も食事も交通手段も…高い。しかも値切ったって、なかなか折れない。

挙句には「バーイ」と手を振られてしまう。

どうしたアジア!何があったんだ??


それには2つの理由があった。

1つはガソリン価格の急激な上昇。

この問題は当然日本だけじゃなく、世界中が苦しんでいる。

燃料費を捻出するため、物価が軒並み上昇したようだ。

もう1つは欧州組のアジア進出。

どこへ行っても目にするのは、フランス、ドイツ、スペイン人。

彼らを取り込もうと、観光地にはオシャレなカフェバーやジャズバーが乱立し、

そこで優雅にくつろぐ欧州組。もうスタバなんてコンビニ並みにあるし…。

彼らの持つユーロパワーはすさまじく、現地の物価上昇に拍車をかけているようだ。

この2つの要素がアジアを変えつつあるようだ。


出発前に誓った「1日1800円生活」。バスで移動する日にはすぐに赤字…。

毎日、屋台ごはんと安い水でしのいでいる。

うぅぅ、わびしい…。


バンコクの北方約720キロに位置するタイ第2の都市チェンマイ。

「北方のバラ」とも称される美しい古都である。

1296年にランナー王朝初代メンラーイ王により

新しい首都としてピン川のほとりに建設されたのが始まり。

ナイトマーケットと、ワット・チェディ・ルアン、ワット・プラ・シンを観光して

サクッと抜けることにした。


さてパーイは、チェンマイからバスでたったの3時間。

やっぱり田舎町は落ち着く。何もない代わりに、懐に優しい。宿も広くて快適だ。

今日なんて、バンガロースタイルのシングルルームで100B(360円)だもの。

iPODを流しながら、ブログを書く。

遠くから犬や鳥たちの声が聞こえる。そして窓の外には満天の星。

あぁ、いいなぁ。今日も生きてるよ。


いつかはここにも観光化の近代化の波は押し寄せるだろう。

束の間のこの優しい時間を覚えておきたい。

「昔はね…」と、未来の子どもたちに聞かせたら目をまん丸にして驚くかも。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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