偶然がくれた贈り物


“偶然”というのは「気づくかどうか」の問題なのだろう。きっと。

世の中には偶然が溢れていて、それに気づいたとき、

あっ!と思うものだ。


そんな偶然に今日は気づいた。

昨夜の話だが、友人からのメールで、

「スコータイに行ったら、ぜひあの宿に泊まってほしいな。

名前は忘れたけど…笑」

と、なんとも無責任な頼みごとだ。


「いい感じのテラスがあって、カッコイイご主人がいたっけ」

今は21世紀。複雑な情報化社会の中で

たったこれだけの情報で辿り着けるわけがない。

しかも聞けば7年前の話だとか。もう…。

「宿は適当に決めちゃいました。ここもいい感じのテラスがあるよ。

ご主人はまぁカッコイイかな?」

そう、返信しパソコンを閉じた。


そして今日だ。一応宿のHPをメールしておいたので

その答えが返ってきていた。

「うわ!そこの宿だよ!!ビックリ☆」

こういうことってあるもんだ。世界を旅してて、

無限にある宿の中でたったひとつに当たるんだもん。

実はこの宿、その友人にとっては命の恩人だとか。

現地の犬に噛まれ、狂犬病の恐れがあると大パニック!

その際に病院まで連れて行ってもらったのだ。

しかも後日、その友人が出版した本の中で

ここの奥さんと娘の写真を使っている。


よし!こんなステキな偶然なら、

止まっていた時間を動かすために一役買おうじゃないか。


宿のご主人にその旨を告げると、

「Oh、I remember!」と、歓喜の声を上げた。

つづいてご主人、奥さん、娘のスリーショットをメールに添付し、友人に送る。

友人からは喜びと懐かしさ、そして感謝の気持ちを込めた英文メールが返ってきた。

彼らの7年の空白を埋めた旅のメッセンジャーと言っておこうか。


こういう偶然って、気づかないだけでもっとたくさん身の回りにはあると思う。

みんな必然の中で生きているのに、

いつのまにか日常や忙しさの中に埋もれてしまう。

でも、そんなときに偶然という名の合図を送って、

大切な何かを気づかせてくれるのだ。きっと。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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