言葉を超えた景色の前で…


古城の街「大理」。

(ちなみにあの「大理石」はここから来てます)

車窓に美しい田園風景を映しながら、

バスは山道を行く。


大理はペー族の住居エリアで、

彼らの生活シーンが垣間見られる。

大理の街から山岳地帯へと足を伸ばせば、

雲南省屈指の観光エリア、「大理古城」だ。


そこは城壁の中に白壁づくりの町並みが広がっていた。

屋根には瓦、石畳の上をコツコツと馬車が通り過ぎる。

柳が風に揺れれば、

思わず空を見上げてため息をひとつ。


まるで映画の中にいるみたいだ。


寝台バスに揺られて15時間、

目が覚めればこんなにも美しい町にいるなんて。

古の香りが今も町中に漂っていた。

年間通して平均気温は15度と、とても過ごしやすい。

東に耳海(じかい)に面し、雲嶺山脈に19の峰を連ねる。

その峰の間から18本もの渓流が流れる

蒼山(そうざん)の麓にいる。


上関の花、下関の風、蒼山の雪、耳海の月、とは、

大理の美しい風景を愛でた詩である。

こんな景色に出会うと、

自分の言葉の少なさが嘆かわしくなる。

ライターでありながら、景色が言葉を圧倒する。

腕の立つ小説家だったら、感度の良い作詞家だったら、

もっとたくさんの言葉で、

この風さえも文字に変えてしまえるだろうに…。


足りない言葉を補うように、

カメラと心のシャッターを、そっと切った。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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