パキスタンへの道


キルギスの首都ビシュケクで待つこと4日、

ようやく念願のパキスタンビザが発給された。


「土曜日に取りに来い」と言われていったものの、

「今日はホリデーだ」と手のひら返し…。

結局、週明け月曜日のお昼まで待たされてしまった。


とはいえ、これでパキスタンに行ける!

ビザ取りのために立ち寄ったキルギスも

ずいぶん長くなったものだ。

急いで宿に戻り、荷物をまとめる。

来た道を戻って「オシュ」に帰れば早いのだが、

それじゃ面白くないので、

キルギスを時計回りで1周することにした。


ルートはこうだ。

ビシュケク→ナルン→カザルマン→ジャララバード→オシュ。

今、コンビを組んでいるマーさんと意気投合。

「せっかくここまで来たんだから」と、

ツーリストがほとんど足を踏み入れないエリアに挑戦する。


乗合バスで7時間、夜も更けたナルンの街角に降り立った。

ナルンは標高2100m、

辺境防衛のためロシア軍が造った街である。

冷戦が終わり町はその役割を終えたように寂れていた。 


あれ、真っ暗でひと気もない…?

ここはとんでもなく小さい町のようだ。

ホテルも1軒しかなく、

300ソム(約1000円)と高かったが選択の余地もない。

「OK」と渋々返事。


重たいザックをおろし、疲れた身体をベッドに横たえた。

誰も知らないキルギスが始まった。 


旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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