かかって来い!インド


パキスタンのラワールピンディを午前6時に出発し、

インドとの国境の街「ワガ」を目指した。


まずラホールまでワゴンで5時間、

そこからローカルバスに揺られること1時間で

ワガまでやって来た。

さすが国境の街、何もない…。

かろうじて見つけた青空食堂でランチをとり、

暑さに耐えかねコーラを2本一気に飲み干した。

近くにうろついていた闇両替をつかまえ、

余ったパキスタンルピーをインドルピーに換え、

ボーダーへと歩き出した。


パキスタン側のイミグレ、カスタムは

ほぼノーチェック。

「日本人?サヨナラ~」と、

たったのひと言で終了。実に甘い。


太陽とにらめっこしながらしばらく歩くと

白線で隔てられた国境線が現れた。

近くにいたポリスに「写真を撮ってもいいか?」と

訪ねると、

特別だぞ、とスマイルでOKしてくれた。


どこぞのTV番組みたくジャンプして越えようかと

思ったが、背中のザックは30㎏…。

とても飛べたもんじゃない。

えい!っと力を込めて国境をまたぎ、インドにIN!


ふとボーダー上で面白いものを見つけた。

この境界線を挟んでインド側、パキスタン側であるイベントが行われるという。

それは国旗のクロージングセレモニーだ。

夕方に国境が閉まるので、そのタイミングで両国が国旗を下ろす。


え、どこが面白いのかって?


実はこの境界線がちょっとした観客席が設けてあって、

順に国旗を下ろすのに合わせて応援合戦が繰り広げられるらしい。

どちらかというとパキスタン側の方が熱が入っていて、

インドに負けるな!と声が飛ぶ。

いったい何を競ってるのかは不明だが…。


さて、話をもとに戻してつづいてインド側のイミグレ。

気を引き締め直して建物内に入るが係員以外に誰もいない。

こちらも、ものの5分で終わり、

厳しいと聞いていた荷物チェックがなかった。

とまあ、あっけなくインドに入国。


旅立って100日で9ヶ国目でございます!


「インドには洗礼が待っている」

そう聞いているので、嫌がおうにも緊張感は高まる。

ここがアジアの真髄、よーし、かかって来い!


ところがだ。


郵便局で切手を買おうとすると

「中に入って来い」と、窓口の中に通され

チャイを振舞われた。

1時間ほど雑談をし、インドの挨拶を教えてもらった。

バスを待っているとポップコーンをおごってくれるおじさん、

道を尋ねれば目的地まで案内してくれた上、

途中でジュースをご馳走になった。


バスの乗客がリキシャを交渉してくれるし、

ぜんぜんボラれないし、

おまけに今日は無料の巡礼宿に泊まることになった。

あれれ、インドってやさしいのね?


インドは“人の森”と言われる。

森に入って木に触れないで通り抜けられないように、

インドに入って人に触れずに通り抜けられない。

ここは憩いの森なのか

それとも迷いの森なのか…。


さあ、インドの答えを見つけにいこう。

旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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