世界一危険な都市「ヨハネスブルグ」。
日本人バックパッカーの間では、
リアル“北斗の拳”の街と恐れられ、
むやみに近づこうとはしない…。
統計によると年間11万件の強盗が発生し、
3万件の殺人(未遂も含む)が起こっているとか。
『列島警察24時』も顔負けの犯罪都市にまさか降り立つとは…。
昨夜は結局ヨハネスブルグに到着したのが午前3時。
「今日はうちに泊まっていきな」と、
メグンの実家にお邪魔することになった。
1ヶ月ぶりの帰宅なのに、
見知らぬ東洋人を連れて帰ってくるとは
家族はいったいどんな反応をするのだろう…?
午前7時に目が覚め、リビングに顔を出すと
メグンのおばあちゃんが朝食の準備をしていた。
アワワワ...と事情を上手く説明できなかったので
「グッドモーニング!」と笑顔で挨拶した。
ようこそ、ようこそ、みたいな素振りで
笑ってくれたのでひと安心。
でも一難去ってまた一難…とはよく言ったものだ、
レゲイ風なお父さん(?)と、
真面目そうなお兄さんが顔を出した。
アワワワ...
に、日本人です。えぇっと昨日、車で一緒に…
上手く説明できないので、結局、
「グッドモーニング!!」とやっぱり挨拶。
おう、よくきた、よくきたと肩を叩かれ、
懐の深さにちょっと感動した。
シャワーを借り、おばあちゃんに朝食をすすめられ、
あれよ、あれよとこの家庭に溶け込んでしまった。
カメレオン?
言葉が通じなくてもなんとかなるもんだね(笑
メグンとコナンが起きてきたので、
2度目の朝食を一緒に摂った。
彼らは泣けてくるほど親切で面倒見がよく、
「今日は街を案内するよ」
「あとからバスと飛行機のチケットを調べてあげる」
「宿はここでいいかな?予約しとくよ」
と、いたれり尽くせり。
「ありがとう」しか言えない自分がもどかしい…。
朝食は庭のテラスで。まるで映画みたい♪
蒸したシリアルにハチミツとチーズをかけて
ハーブティと一緒に、だもの。
朝食が済むと、早速車に乗り込み、
まずは今夜の宿に連れてってくれた。
正直、ヨハネスブルグに滞在はしたくなかったのだが、
ここは彼らの街。恐い、恐いと言っていても失礼なので
「でも、できるだけ安全な場所にしてね」と、念だけ押しておいた。
1泊1500円以上したが、
一軒家のキレイな宿に泊まることができた。
プールやキッチンも自由に使え、広いリビングでは
4匹の猫が仲良く昼寝をしていた。
荷物を部屋に押し込み、再び車で移動。
ヨハネスブルグの1DAYツアーだ☆
「ここは大丈夫」という合図でカメラを出し、
彼らから離れないようにしながら写真を撮った。
新市街はアート色が強く、
街のいたる所にグラフィックが施され、
ギャラリーやミュージアムがたくさんあった。
ちょっと遅めの昼食は恐怖のダウンタウンへ。
某『C球の歩き方』には、
「ここを歩くなら強盗に遭う覚悟の上で」と書かれている。
ひぇ~、だ、大丈夫?
周囲はオールブラック!黒人の街だった。
「1994年以降、ここに白人が住まなくなって
今じゃ、すっかり荒廃した街になったよ…」
コナンは壁が剥がれたビルを見ながらそう呟いた。
たしかに有名ホテルや大資本の企業は次々とこの街から撤退し、
郊外にその拠点を移している。
ピリピリとした視線を感じながら、足早に通りを歩いた。
もちろんカメラはしっかりと隠したまま。
夕方、宿まで送ってもらい
長い長い彼らとの2日間が終わった。
「ありがとう」と何度も頭をさげ、
ちょっと泣きそうな気持ちで別れを惜しんだ。
たくさん迷惑かけたのに、さんざん面倒を見てもらったのに
彼らは「楽しかったよ」と、自然な笑顔で手を振った。
ホント、ありがとう。忘れないよ、ずっと。
小さくなっていく車を見送り、また1つの別れを数えた。
ソファで寝ていた猫を撫でながら、感傷に浸った。
言葉が通じなくても、気持ちは通じていたのかな?
簡単な会話、英語の教科書なら中学校レベルだけど、
それでも楽しかった2日間。
「喜望峰に辿りつたら写真を送るね」
最後にした約束を果たす日は近い。
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