人にやさしく


中国雲南省の「景洪」という街へ移動した。

ここは、シーサンパンナタイ族自治州最大の街。

熱帯雨林気候のため雨季と乾季に分かれ、

端境期には「水かけ祭り」が盛大に行われる。


昨日から中国にいるわけだが、嬉しい誤算があった。

それは物価の安さ!

宿1泊200円、食事1回100円、コーラ1本40円。

今までとは違いとても快適な宿(しあわせ~♪)、

日本人の口によく合う中華料理(うま~い♪)、

ネットカフェも通信速度が速く、しかも激安!

なんて旅しやすい国なんだろう。しみじみ。


唯一の難点は言葉。英語を話せる人はほとんど皆無。

「ハウマッチ?」すら通じないもの。

お陰様で中国語を覚えましたよ。

文法的には英語と同じS+V+O、ってやつで、

漢字を見ればだいたいの意味はわかる。

だから意外とすんなり頭に入ってくる。

でもまぁ、聞きとりだけは無理なので、空気を読むってことで。


さて、今日はバスで隣に座ったおじさんの話を少々。

カップ酒を抱え、

しこたまおやつを買い込んで乗り込んできたおじさん。

すぐに「蟲鈎嫡楠鋤弩鬱簸?」と、

難解な言葉でしゃべりかけてくる。

「我是日本人(ウォーシーリーベンレン)」と、

返すも、まったくお構いなし。

嬉しそうに肩を叩き、酒をすすめる。

「我不可飲酒」と、手をバツにして苦笑いを浮かべた。

ちょっと残念そうな顔だったが、

今度はパンを食え、

ゆでたまごはどうだ?と、

魔法の袋からおやつが飛び出した。


好吃!(ハオチー)※美味しいと、

親指を立てると

そうだろ、そうだろと、再び肩を叩いてくるわけ。

旅立ってからいろんな国の、

いろんな人に優しくしてもらっている。

よっぽど日本人が好きなんだと思っていたが、

今日、その意味がわかった気がする。

みんな自分の国を愛している。


愛国心が強いから、自分の国へ来た旅行者に

「どうだ、いい国だろ?」と、語りかけてくる。

その国の素晴らしさ、楽しさ、美しさを、供に分かち合おうと。

経済的に豊かな国は、背景に利己的欲求がついてまわる。

だから他人を受け入れることに、

臆病になったり、神経質になったり…。


日本が好き。


そう胸を張って言える人は、

きっと人に優しくなれると思う。


旅のチカラ、旅のカケラ

世界一周の旅、 それはもう遠い夏のようだ。 500日間世界を駆け巡り、 300を超える長距離バスに揺られた。 旅を終えて日常に復帰したが、 それでも時間を見つけては小さな旅を続けている。 旅のチカラに引き寄せられ、 旅のカケラを集めていく、 そんな毎日。

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